最終節を含め、今シーズンのホームゲームはあと２試合。ＪＦＬでは１位と２位をＪリーグ入会資格のない企業クラブが占める可能性が高く、Ｊ３との入れ替えがないオフシーズンとなりそうな状況で、Ｊ３に残留争いの緊迫感は薄い。今節対戦するカマタマーレ讃岐も勝点40を積み上げて残留が確定的であり、必ず勝たなければ──という悲壮感はなさそうだ。

しかし相手にも意地があるはず。特に今夏、期限付き移籍で讃岐に加入した川西翔太にとってはＦＣ岐阜は古巣であり、長良川はかつてのホーム。ここでいいプレーを見せたいと士気を高めてくるだろう。油断して良い相手ではない。

讃岐を率いるのは、現役時代は東京ヴェルディなどで活躍した米山篤志監督。フォーメーションは４－４－２を採用し、２トップの一角に川西が入っている。背番号48を背負う川西は先発した直近の４試合中、第31節ガイナーレ鳥取戦と第32節ギラヴァンツ北九州戦で連続ゴール。やはり決定力には類稀なものがあり、讃岐をシーズン前半戦の印象で捉えてはいけないのかもしれない。

前節の讃岐は前半に２－０とリードしながら前半アディショナルタイムに失点して１点差に迫られ、後半に２失点を喫してＡＣ長野パルセイロに逆転で敗れた。前節、ヴァンラーレ八戸を相手に逆転勝利をもぎ獲った岐阜とは正反対。川西を活かした攻撃が好調である時の讃岐は強い。しかしその時間帯に奪ったゴールを守り切る力が前節に関してはなかった。それだけに、今節は同じ轍を踏むまいと気を引き締めてくるはずだ。
岐阜にしても、川西に恩返し弾を決められて負けたくはない。柏木陽介に続いて田中順也が現役引退を発表したが、このふたりのベテランを気持ち良く送り出すためにも、勝って最終節に繋げる花道を作りたい。

（text by後藤勝）