前節はホーム長良川で福島ユナイテッドＦＣに痛い黒星を喫したＦＣ岐阜。同様に前節ホームでいわてグルージャ盛岡に敗れ、後がなくなってきているアスルクラロ沼津を迎え撃つ今節となる。勝点42の沼津が９位、勝点40の岐阜が10位と順位が近く、互いに上位への挑戦権を得るために負けられない一戦であると言えそうだ。

Ｊ３第23節終了時点では勝点39の沼津が３位、勝点34の岐阜が４位につけていたことを考えると、ともに大幅なペースダウンだが、特に沼津の失速が著しい。沼津は第24節以降の６試合は第27節でギラヴァンツ北九州に勝ったのみの1勝5敗。それだけになんとしても岐阜には勝とうと必死になってくることは確実だ。

相当テンションを高めてくるだろう沼津の挑戦を受け止める格好になれば、その勢いに圧倒されかねない。順位が下である岐阜のほうにこそ挑戦者の気概を示し、前からプレッシャーをかけていく姿勢が欲しい。岐阜は今シーズン途中から全体をコンパクトにしてバランスをとり、失点を少なくすることで一定の勝点を積み上げてきたが、近頃はなかなか勝てなくなってきている。堅守を維持しながらもより積極的にゴールをめざしていくことが求められる。

ここ２試合連続ゴール中の森夢真、さらにその前の２試合で連続ゴールを決めていたブラウン ノア 賢信など、沼津の前線が怖いことは確かだ。しかし相手を怖がっていても勝利はやってこない。沼津も沼津で、スピードがある岐阜の前線4枚を脅威に感じているはず。その速さで圧倒し、相手が下がったらその前のスペースを使うなど、先手、先手でゲームを動かして主導権を握りたい。選手たちが自信を持てなければスタンドに詰めかけた人々に夢を与えることは難しい。勝利の凱歌をあげるべく、勇気を振り絞り、長良川を盛り上げ、今節こそ３ポイントを得て『HYPER CHANT』を歌いたい。

（text by後藤勝）