Ｊ１クラブとの対戦となった天皇杯３回戦は普段なかなかリーグ戦に出られない選手たちが結束して先制点を挙げ、あと５分でアビスパ福岡を相手に勝利を収めるというところまで行ったが、追いつかれて90分間では同点。延長戦で敗れ、ラウンド16への進出を果たせなかった。また、その前のＪ３第17節では試合終了寸前に失点して奈良クラブを相手に敗戦と、このところ悔しい結果が続いている。FC岐阜としてはなんとしても今節このホームゲームに勝ち、前を向いていきたいところだ。

対戦相手であるFC今治は現在20チーム中の5位。10位の岐阜からすると格上だが、勝点差はわずかに2であって得失点差にも大きな隔たりはなく、いたずらに怖れる必要はない。ただし得点数は岐阜よりも6多く、シュート数など攻撃に関するデータは軒並み岐阜より上であるし、奈良や福岡と同様に強度の高い相手でもある。攻守において競り負けない意識で臨まなくてはならないだろう。

今治を率いるのはかつて京都サンガF.C.で大木武監督（当時）の参謀役を務めた高木理己監督。攻撃的な姿勢がチーム全体に浸透し、特に外国籍選手による2トップが強力で、このふたりだけで11ゴールを挙げている。ベンチには2019シーズンの開幕後に当時J2に昇格したばかりのFC琉球から横浜F・マリノスに引き抜かれるという形で“個人昇格”を成し遂げた中川風希も控え、前線のタレントはJ3屈指と言っていい。激しい守備で今治の攻撃を防いでいきたい。

一度、無敗が止まったあとの仕切り直しの一戦。その試合をホームである長良川で闘えるということは、岐阜にとっては幸運であると言えるのかもしれない。ピッチとスタンドが一体となって勝利をもぎ獲り、試合後は『ＨＹＰＥＲ ＣＨＡＮＴ』で再起動の喜びを分かち合おう。

（text by後藤勝）