前節、Ｊ３第15節ではアウェイでの対戦でありながら試合開始から積極的に戦い、シュート数14対5で福島ユナイテッドＦＣを圧倒。２－０の勝利を収め、６試合連続の負けなしで５位に浮上した。２位まで勝点４差で昇格圏を射程圏内に捉えているだけに、焦ることなく眼の前の試合に向かっていきたい。

ホーム長良川に迎えるいわてグルージャ盛岡は現在20チーム中の12位。しかし勝点20を挙げていて岐阜との差は４でしかなく、勝点１、２の差で順位が大きく入れ替わる混戦のＪ３にあっては、順位表どおりに中位とは考えられない相手だと言える。実際、前節は現在４位の松本山雅ＦＣを１－０で下している。５試合連続ゴール中だった得点ランキングトップの小松蓮を抑えての完封勝利は偶然ではなく、同じことが今節、岐阜に対して起こらないとは言い切れない。

今シーズンからいわてを率いるのは現役時代にアトランタ五輪代表選手だったことで知られる松原良香監督。攻撃回数が少ないわりに相手陣ゴール前30m以内あるいはボックス内への進入回数は多く、効率的な攻撃で得点を挙げるチームをつくり上げている。自陣ゴール前をしっかりと守るのはかつて岐阜のキャプテンを務めていた甲斐健太郎。田代真一とのセンターバックコンビを崩すことは容易ではないかもしれない。また1トップの佐藤未勇、トップ下の和田昌士、宮市亮の実弟である宮市剛といった攻撃陣が得点力があり、ゴール前の攻防が勝敗の鍵を握りそうだ。

昨年に“個人昇格”を果たした甲斐とは今回が初めての対戦となる。この試合で岐阜が成長した姿を見せられるかどうか。実力のあるいわてが相手ではあるが3ポイントを加え、勝利の余韻に浸りながら『HYPER CHANT』を唄いたい。

（text by後藤勝）