リーグ戦３連勝ののち、天皇杯２回戦では延長戦の末に清水エスパルスを撃破。新しいスタイルの構築に結果が伴ってきたＦＣ岐阜だが、Ｊ３第13節ではアスルクラロ沼津と０－０の引き分け。アウェイの難しい試合で得た勝点１を無駄にしないためにも、今節は勝点３を加えたいところだ。

対戦相手のＳＣ相模原は現在20チーム中の19位。順位だけを見ると与し易い相手に思えるが、開幕からの４試合で３敗を喫したものの、そのあと第５節からの９試合では２敗しかしていない。それ以外の７試合がすべて引き分けという辺りにしぶとさがうかがえる。得失点差もマイナス５と、５敗していることを考えれば許容範囲で、現在は同点ベースで試合を進められるチームだという認識でいたほうが良い。

相模原を率いるのはワールドカップ出場経験を持ち、解説者としても人気があった戸田和幸監督。昨シーズンはコーチとして東京都社会人サッカーリーグ１部のＳＨＩＢＵＹＡ ＣＩＴＹ ＦＣを実質的に率い、関東サッカーリーグ昇格をかけた関東社会人サッカー大会に進出を果たした。直近の試合を見るかぎりそのＳＨＩＢＵＹＡ時代と同じくモダンなサッカーを相模原でも志向しているようで、ボールの動かし方などはかなり洗練されてきている。ここから先、それを得点に結びつけていけるかが課題のチームと言えそうだ。

成長が目に見えるようになってきた岐阜はそのスピードを速めるべく、沼津戦では柏木陽介をボランチで先発起用し、より臨機応変にボールを動かしチャンスをつくっていく応用段階のサッカーに着手し始めた。まずはこのサッカーで１点を奪い、そして複数得点を奪えるようにしていけるか。熱い応援で新しい挑戦を後押ししよう。

（text by後藤勝）